心打たれ、心寄せる
朝早く放送された天皇陛下の誕生日会見。
二つの言葉「心打たれました」「心を寄せてまいりました」が心に残りました。
相手の気持ちや行動に感心し、ときに尊敬の念をもって抱く「心」打たれる思い。
自然災害の脅威、時代の流れに翻弄され、大変な目に遭っている方々に向ける「心」。
日本語はときに美しすぎ、心が伴わない表面的な言葉のように聞こえます。
しかし天皇陛下のお言葉は穏やかに美しく話されているにもかかわらず
聞く人の心に深くしみいるように入り込んでいきます。
これはきっと言葉にこめられた思いを感じ取るからでしょう。
心打たれるほどに、鋭敏な情を常に持ち続けること。
心寄せるほどに、まわりに関心を持ち続け、支え合うこと。
実際に何ができるか、すべきかということに正解はありません。
自分の力以上に人を助けようとすることも決していいことではありません。
ただ言えるのは、心をきちんと向け、相手に寄せていくこと。
これはきっと誰にでもできる正しいことなのではないでしょうか。
移民として外国に渡り、日系人として外国で活躍されている人たちに思いを馳せ
今、外国から日本に来て仕事をしていこうとする外国人たちを
温かく迎えたいともおっしゃっていました。
歴史を振り返り、長いときを経てきちんとお返ししていく。
そんなゆったりした時間を意識して深く考え行動していくことは
なんて心を落ち着かせるのでしょう。
心を打たれる瞬間を味わうこと、心を寄せつつまわりと関わっていくこと。
新しい年に向かい、よい指針を得た思いです。